国税庁の統計によると、実際に相続税が発生するケースは、
約4%台多額になりそうなイメージがある「相続税」ですが、
実際に対象となる人は少なそうです。
たとえば、夫婦2人、子ども2人のケースであれば、 夫婦の一人がなくなっても、
遺産の総額が、8,000万円以内であれば、相続税はかからないのです。
それでも、毎年約1百万人超もお亡くなりになる人がいるわけですので、

約4万人の方には、相続税がかかることになります。
その4万人の方のために、相続税の事前対策を考えてみましょう。

相続税対策の三本柱は

1. 生前贈与を活用する

(例)生前に子や孫に財産を移転することで相続財産を減らす。

2. 「おカネ」を「モノ」に換えておく

(例)アパートや保険金など評価額が下がるものに財産を換えておく。

3. 制度を活用する

(例)養子縁組や小規模宅地等の特例などを利用して控除枠を増やす。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.生前贈与を活用する。

生前贈与とは、亡くなる前に自分の財産を他の人に分け与えることを言います。
生前贈与を行う際のチェックポイントは、次の5つ

①暦年課税の非課税枠をうまく使う

贈与税は1年単位で計算します。
その際に、110万円以下の贈与については課税されないのです。

(計算例)
相続人が、子ども3人で準備期間が20年ある場合は、
3人×110万円×20年=6,600万円が、税金をかけずに移転することができます。

②贈与税と相続税の節税額の分岐点を考える。

贈与税は、贈与財産の価格が1,000万円以上だとなんと、
50%もの税金がかかってしまうのです。
年間110万円の生前贈与では間に合わず、最終的に相続税の対象となる財産が
多額にある場合もあるでしょう。
その場合は、110万円を超えて贈与するのも一法です。

ここでのポイントは、
自分の相続税の予想税率がどれくらいになるかということです。
自分の相続税の予想税率より、低い税率の贈与を行っていくことにより、
結果として、「贈与税」+「相続税」の合計金額を下げることができるのです。

(計算例)
相続人が、子ども3人で準備期間が20年ある場合は、
3人×200万円×20年=1億2,000万円を生前贈与します。
その場合の贈与税は、1億2,000万円×10%=1,200万円生前贈与をしなかった場合は、 1億2,000万円×40%=4,800万円実に3,600万円もの差が出るのです!!

③暦年贈与と相続時精算課税制度のメリットデメリットを考える。

暦年贈与

メリット

110万円以内の贈与なら手続きが簡単(事実上はない)長期間の対策をうつことで、
相続税を減らすことができる。

デメリット

110万円を超える贈与は、贈与税がかかり、多額の資産の移転が難しい。

相続時精算課税制度

メリット

2500万円まで、非課税でで財産を移転できる。住宅資金の贈与の場合は、
3,500万円まで評価額が相続時の価格で固定されるので、相続税がかからない範囲の場合は、 子世代への資産の移転を早期に実現できる。
将来、値上がりする可能性のある資産の移転に向いている。

デメリット

贈与税は節税できるが、一般的に相続税の節税にはならない。
贈与者及び受贈者に下記の要件が必要財産を贈与した人は、
65歳以上の親財産の贈与を受けた人20歳以上の子である推定相続人
「相続時精算課税制度」を一度選択してしまうと、 従来の「暦年課税制度」には
戻せません。
評価額が、相続時の価格で固定されるので将来値下がりする可能性のある資産の
移転にはむかない。

④暦年贈与の継続する場合の注意点

①や②の計算例のように、毎年同じ金額を数年間にわたり贈与する際は、
最初から、20年間分の金額の贈与があったとみなされて多額の贈与税を課税される
危険性があります。

これを回避するには、

・贈与契約書をその都度作成する。
・受取人本人の口座への振り込みをする。
・受取人本人の通帳や印鑑を、受取人本人が管理し、
資金を使用している実績を残す。
・110万円を超える贈与を行い、毎年贈与税の申告書を作成する。
・毎年、違う時期に、違う金額、違う種類の財産で贈与を行うなど。

単発の贈与であることを明確にする。

⑤配偶者への贈与の特典を使う

20年以上の婚姻期間がある夫婦の場合、居住用不動産または、
居住用不動産を取得するための金銭の贈与が、 2000万円まで非課税でできます。
ただし、以下の点を考慮することが必要です。
配偶者には、相続税上は、1億6,000万円の非課税控除額がある。
登録免許税や不動産取得税が余計にかかる。

⑥なくなる前3年以内の相続人に対する贈与は相続財産に加算される。

なくなる前3年以内に行われた生前贈与の財産は、相続財産に加算されて相続税が計算されることになっています。 しかし、これは、相続人に対してなされた生前贈与に限ります。
そのため、法定相続人以外である、孫や子どものお嫁さんやお婿さんへの生前贈与は、加算の対象になりません。
緊急性がある場合の生前贈与は、受取人の対象者を考える必要がありますね。

2.「おカネ」を「モノ」に換えておく

相続税の計算の基となる相続財産の評価は、おおむね下記の通り

現金・預金・・・額面
土地や建物・・・路線価や固定資産税評価額

ここで大切なのは、土地や建物の評価額である、路線価や固定資産税評価額は、
実際の時価より、2割から3割低めに設定されているということと、さらに利用形態によっては、評価の減額ができるということです。

(計算例)
現金2億円、現金1億円+空き地1億円(時価)、建物1億円(建設価額)+土地1億円のケースで計算してみる。
実際には、不動産には値下がりリスクや、賃貸用不動産には、
空き室リスクなどもあるので、 多面的に考えて対策を行う必要がありますね。
番外編として、生前に墓地を購入しておくという手もあります。
墓地は、非課税の相続財産ですが、
死後に購入した場合は、相続財産から差し引くことはできません。

3.制度を活用する

①養子縁組

相続税の計算では、相続人一人当たり1,000万円の基礎控除があります。
相続人には、養子縁組した子も含まれますので、養子縁組して、基礎控除の金額を増やす方法もあります。 ただし、以下の点に注意が必要です。

・実子がいる場合は1人まで、実子がいない場合は、
2人が上限となっています。
・孫やひ孫を養子にした場合は、相続税が2割加算される。

②生命保険の活用

保険金は生前に築きあげた相続財産ではないが、死後に相続人が受け取れるため、
「みなし相続財産」とされている。
ただし、その保険金額から、 500万円×法定相続人の数の金額分を差引くことができるのです。現金で、2,000万円持っているよりも、 保険をかけておいた方が、
有利になることもありそうですね。
また、保険料を生前贈与して子が「契約者」親が「被保険者」として契約しておくと、
保険金額自体も「みなし相続財産」に含まれないですむので、さらに、節税効果がありそうです。

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